3.オタネニンジンの特徴

オタネニンジンは、加工の仕方により主に二つに分類される。

1)紅参

収穫した人参の皮を剥かずにそのまませいろで蒸した後、乾燥させたもの。

オタネニンジンは蒸すと赤くなる。

主に6年根(6年間栽培したもの)を加工する。韓国産が主流。

皮を剥かずに蒸して乾燥させる過程で、有効成分であるサポニン含量が高まる。

 

2)白参

収穫した人参の皮を剥くか、あるいはそのまま乾燥させたもの。

主に4年根を加工する。

滋養強壮剤飲料に使用される。

形状でさらに直参、半曲参、曲参に分類される。

 

オタネニンジンは、主に二つの用途で使用される。

1)漢方薬として生薬(医薬品)使用

薬用として、根部を使用する。

基本的には、人参を煮て成分を滲出させたものを服用する。

疲労回復、食欲低下、冷え症、むくみ、不眠、動悸やめまい、喘息など病後の回復

促進、低血圧症の治療などに使用されている。

使用方法は、人参10 gに対して水200 mlを加えて、水分が半量になるまで煎じる。これを1日3回に分けて服用する。

 

2)料理などの食材使用

参鶏湯(韓国料理)、人参茶、人参飴などに使われている。

生のままでも食用できる他、はちみつ漬け、天ぷら、煮物、炒め物、蒸し物、スープなどに使うことができる。

食材例

①はちみつ漬け

生の人参:120 g ~ 250 g

はちみつ:1 kg

約1~2年漬け込む。

生の人参を約1~2 mmに輪切りしたものに同量から3倍量のはちみつを加えて

約1ヶ月漬け込んでもよい。

 

②天ぷら

2~3年根(細い根)をそのまま天ぷらに揚げる。

ひげの部分をかき揚げにしてもよい。

 

③煮物、炒め物、蒸し物、スープなど

2~3年根(細い根)を縦切りにして加える。

5~6年根(太い根)は、1 cm程度に輪切りにして加える。

 

天ぷら、煮物、炒め物には生の人参だけでなく、乾燥人参を煎じたあとの残り殻や、アルコール漬けをしたあとの身など、使い終わった人参を再使用することもできる。

 

参考レシピ

・薬膳スープ http://recipe.rakuten.co.jp/recipe/1840008816/

 

参考文献

『薬膳素材辞典 健康に役立つ食薬の知識』 源草社 辰巳洋

高麗人参の知識 http://www.sas.janis.or.jp/~kyowa8/

武田薬報web-タケダ健康サイト http://takeda-kenko.jp/yakuhou/

健康食品の素材情報データベース

IME 特定非営利活動法人 医療教育研究所 https://www.ime.or.jp/daitai/daitai16.html