ICタグ利用フードモデルシステムによる献立シュミレーション体験を通した食と健康の関連理解

【目的】
伝統食材であるオタネニンジンの栄養成分、機能成分情報を記憶したICタグを内蔵しているフードモデルを利用した献立シュミレーション体験を通して、学童自らが栄養機能と献立との関連性を理解すること、オタネニンジンの機能性を活用した学校給食メニューの成り立ちを理解し、その実践法を習得することに対して支援することを目的とする。

【方法】
フードモデルを利用した献立シュミレーション
体験体験者: 協力小学校6年生児童 9名(男子4名、女子5名)
フードモデル: 食育SATシステム(株式会社いわさき)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【結果および考察】
献立シュミレーション体験を通した食と健康の関連についての理解度
食育SATシステムでは、付属する基本ソフト「組み合わせ名人」により、体験者がフードモデルを「1食分の献立を自由に選んで乗せるだけ」で、瞬時に栄養価を自動計算し、その結果がリアルタイムに画面に表示する。 設定した1食分の目標に応じて、星の数で「名人度」が表示され、体験者自身が作成(シュミレーション)した献立の栄養価の良否を、目で見て学ぶことができる。
図1にフードモデルを用いた献立シュミレーションを体験した後に実施した意識調査結果を示す。体験した児童は、楽しみながら献立シュミレーションに取り組んでいたことがわかる。全体を通して、食事の栄養バランスの大切さ、そしてそれが自身の健康につながることが理解できていたことが伺える。一方、栄養素のはたらき(糖質・脂質=エネルギー、たんぱく質=体のもと、ビタミン・ミネラル=調子を整える)と食事メニューとの関連は、理解度がやや下がる傾向が見られた。さらに将来の生活習慣病予防に関連する栄養成分である糖質(砂糖)と塩分(しお)の摂取量と食事メニューとの関連は理解度が低いことがわかった。学校での授業や家庭での教育、あるいは様々なメディアを通して、これらの栄養成分の摂り過ぎが健康にとってよくないことは知識として得ていることは推察できる。しかし、このような情報の接し方は主に受動的であることから、今回の体験活動のような能動的・自発的な活動を通してより実践的な知識として定着させていく取り組みが必要であると考えられる。